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モグラ怪獣モングラー

アンバランスゾーンは、心の中に

嵐の夜、一人の男が・・・
そして現れたのは巨大なモグラ
野心ある若き学者の運命は

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第8話 甘い蜜の恐怖
放映昭和41年(1966年)2月20日
制作No.10 昭和40年(1965年)1月〜2月
視聴率 32.6%

[ストーリー] 雷鳴とどろく夜、温室が何者かに荒らされ、数日後に巨大なモグラが現れ大騒ぎになる。モグラは生物を巨大化させる栄養剤・ハニーゼリオンの影響によるもので、開発者である若き学者・木村は責任を感じて学会への発表をとりやめる決意をする。実は真相は木村の研究仲間であり婚約者・愛子をめぐる恋敵でもあった伊丹の行動にあった。心の歪みが起こした人間ドラマ。

ウルトラQ第8話 甘い蜜の恐怖

[寸評] この回の冒頭のサスペンス演出、お見事というほかありません。雷鳴がとどろく嵐の夜、何者かが農事試験場の温室に侵入する。ライトで瞬間男の目が映される。入り口には「DANGER」の文字、ガラスを割る音。逃げる男の姿を確認する別の男・・・。タイトル画面にいたるわずかな間、画面にしっかりと引き込まれてしまいます。

そして数日後、万城目は一平のセスナ操縦訓練に立ち会っていた。真剣な中にしっかりオトボケも交えています。ふと下を見ると巨大な生物が地面から顔を出そうとしているのに気がつくが、時すでに遅し、線路を寸断された電車は谷底へ転落する惨事となった。

事件は巨大なモグラが引き起こしたもので、荒らされた温室内にあった、生物を巨大化させる効果のある栄養剤・ハニーゼリオンを食べて成長したものと思われる。しかし、一体どうしてこんなことに・・・?

一方、ハニーゼリオンの開発者である木村は成果を学会へ発表し、婚約者・愛子との幸せな日々を送っていたが、突然の事件の知らせを受け、現場を確認して絶句する。そこには同僚であり、研究仲間である伊丹の不審な表情が・・・。

事件を起こし、地元の農家たちに甚大な被害を及ぼした責任をとり、木村は学会への発表をとりやめる決意をする。そして、愛子との婚約のことも・・・。「くじけちゃいかん」と言葉をかける一の谷博士、いい人ですねえ。

しかし、どうも不審な点があることに気づいていた万城目たちは壊された温室の入り口など、現場調査に余念がない。そこで由利子は思わず、その様子をひそかに傍観していた伊丹と目が合う。さらに、決定的な人物が現れる・・・。

栄光と憧れと嫉妬と・・・

万城目は、木村のせいではないと言い、真犯人・伊丹の謀略を暴く。目の前で証拠をつきつけられ、行き詰った伊丹は、絶叫し逃走する。そして、自分の行動の責任をとって巨大モグラを爆破させようとして失敗、瀕死におちいる。

爆破直前に洞窟に姿を現した伊丹の姿、コワかったですねえ(笑)。伊丹にどうしてこんなことをしたかと問う木村・・・このあたりの確執や動機は日常の人間関係でもしばしば見受けられるだけに、リアリティがあって見事です。そして被爆してよれよれになりながら、メッセージを伝えにくる伊丹・・・並々ならぬ執念!そんなにまでなりながら、わざわざ出てこなくても!という感じですが、そんなに大事なことなのでしょうか?その執念は研究の成果で発揮してほしいものです。学者という仕事もさぞ辛いのでしょうね。

伊丹の命がけの攻撃にも生き延びたモグラは人類の英知と自然の力で無事解決されますが、このあたりのVTRに有名な「ラドン」の映画のシーンが使用されています。もともとウルトラQは「テレビ版映画」のようなスタンスで製作されているため、こういう引用にも違和感がないですね。

この回出演の木村役はいわずと知れたウルトラマンの「ハヤタ隊員」、ここでの好演が買われての起用だったのでしょうか。すると伊丹の方はケロニアあたりに・・・(笑)。あっ、残念、ケロニアは「206便・・・」のオリオン太郎に先を越されていました。いずれにしても彼らの好演が演出に一役買っていたことは間違いありません。

怪現象 ハニーゼリオンによる巨大モグラの出現
キーパーソン 研究員・木村と伊丹
解決の糸口 現場調査と目撃者の証言
解決アイテム 自衛隊の攻撃と火山地層
登場怪物 モグラ怪獣モングラー

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