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古代怪鳥ラルゲユウス

やがて、少年も大人になる。。。

人を襲い、町を襲う恐怖の鳥は
その少年にのみ心を開いた
時代と生物の垣根を越えて

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第12話 鳥を見た
放映昭和41年(1966年)3月20日
制作No. 6 昭和39年(1964年)11月18日〜
視聴率 35.7%

[ストーリー] 動物園のオリが破られ動物たちが逃走した。飼育係の男も襲われ、「鳥を見た」のメッセージを残して倒れた。その頃港に10世紀も昔の船が出現し、日誌と鳥を残して沈んでいく。少年・三郎はその小鳥と仲良くなり、小鳥は三郎の身を守るほどになる。しかし、その鳥の正体が怪鳥ラルゲユウスであることが判明すると・・・。鳥を通して少年と大人社会の隔絶を描く。

ウルトラQ第12話 鳥を見た

[寸評] 中川監督の少年もの3部作の一編。主役の少年・三郎を演じるのは・・・よく見れば君は「ウルトラマン」のホシノ少年ではありませんか!!モノクロでわかりにくいかもしれませんが、この話では実に良い味を出しています。ウルトラマンでの抜擢もうなづけます。

この物語の冒頭は恐怖の様相を展開します。動物園のオリが荒されて、動物たちは脱走。見事なまでに引きちぎられた惨状、散らばる鳥の羽・・・。それがあちこち・・・一体、何者の仕業?そして、うずくまっている飼育係を発見。問いただすとすでに虫の息、振り絞った言葉が一言「鳥を見た・・・」。いかにももったいぶったような、謎が謎を呼ぶ展開。

今度は一転、港に見慣れない、いかにも歴史を感じさせる帆船が出現。万城目たちはそれに乗り込むが、中には航海日誌らしきものがあるが乗員はいない。その最後の記述にはまたしても「鳥を見た」とある。そしてそこには一羽の小鳥が舞い込んでくる。白くてきれいな小鳥である。文鳥だと思って由利子は持ち帰ろうとしたそのとき、鳥は飛び立ち、船は大きく傾いだため一同はボートで脱出すると見る見るうちに船は沈没してしまった。

由利子の話に基づいて一の谷博士は鳥についての探求を始める。由利子は一生懸命記憶をたどりながらたった今見た鳥を図鑑で探す。あまりにもページをめくるのが早いところがさすがですね。記者ともなればピタリと思ったところでページを止める。そこに描かれた鳥は羽がグロテスクで先ほどの小鳥とはとても似つかないのですが、さすがは記者、お目が高い!(笑)一の谷博士の「それは巨大な鳥」だという助言にも耳を貸さない信念の強さもやはり記者ですね・・・。

友情と恐怖、古代から現代へ

ここで今回の主役・三郎少年が登場です。これまでの恐怖や不吉な雰囲気は一転、のどかな癒しの音楽とともにムードががらりと変わります。そして少年三郎は先ほど飛び立った小鳥に出会います。この鳥、少年である三郎に非常によくなつきます。三郎はさっそく、鳥に「クロオ」と命名するのですが、「クウ」って鳴いたからって、そんな単純な!!

実はこの鳥こそが、ラルゲユウスという古代に生息した怪鳥であり、やがて人類の敵ともなりうるものであるのです。そんなことはいざ知らず、三郎はこのクロオに一生懸命に愛情を注ぎます。そんなこともあってか、大人たちが三郎を問い詰めたりするようなことがあるとクロオの逆襲が始まり、三郎は「やっちゃえ!」と小躍りします。友情を超えた信頼関係ができているのです。

そんな三郎とクロオの関係にも必然的に訪れくるときが来ます。あちこちで荒していた犯人こそがそのクロオであり、ついには警察に捕らえられ嫌がる三郎の元を強制的に引き離されます。留置場に入れられたクロオはそこで本来の姿、ラルゲユウスに姿を変え、飛び立っていきます。壁を突き破って巨大化するシーンの後の、電車を横転させ瓦を吹き飛ばし、人間までも飛ばしてしまう迫力映像は東宝映画「ラドン」からの利用であることは有名な話です。それにしても壮絶なシーンです。テレビドラマで映画の1シーンが見られるお得な場面でもあります。

この回は出演者クレジットが唯一エンディングに流れるという構成です。三郎がいつまでもクロオ=ラルゲユウスを見送っている場面を長く見せるためにそうしたのでしょうか。少年と鳥、大人たちの関係をにおわせる、印象的なラストシーンです。

怪現象 荒される動物園 古代から蘇る船 巨大怪鳥
キーパーソン 三郎少年
解決の糸口  少年との友情
解決アイテム 運命の別離?
登場怪物 古代怪鳥ラルゲユウス

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