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地底怪獣パゴス

純粋な子供たちにしのび寄る危険

おばあちゃんのために
子供たちは真剣そのものだった
これは現代の童話です

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第18話 虹の卵
放映昭和41年(1966年)5月1日
制作No.21 昭和40年(1965年)8月5日〜8月13日
視聴率 28.9%

[ストーリー] 濃縮ウランを運搬するトラックが、途中怪獣に襲われてウランカプセルが行方不明になる。直前に運転手は不吉な竹の花を見つけていた。一方、ピー子ら子供たちは足の不自由なおばあちゃんの足がよくなるよう、迷信を信じて虹の卵を探しに出かける。ところが、ようやく見つけたその卵は実は怪獣パゴスが狙う濃縮ウランなのであった。

ウルトラQ第18話 虹の卵

[寸評] 個人的な話になりますが、私にとってのこれが「ウルトラQ」第1話です。小学生のとき、早起きしてテレビの前に食い入るようにして、夢中で見ました。サスペンス演出もありますが、子供の視点でのホームドラマのようでもあります。

ドラマは濃縮ウランを輸送するトラックの場面から始まります。運転手はよく見ればウルトラセブンのマナベ参謀ではありませんか!助手は休憩中に、不吉な象徴とされる竹の花を摘み取っていました。運転手はそれを捨てさせますが、その矢先、トラックは突如出現した怪獣に襲撃されて崖から転落、2人とも一命は取り留めるものの、ウランは紛失してしまう。よく爆発しなかったものです!この失態にもかかわらず、参謀にまで上り詰めた努力、立派です(笑)。

場面は一転、子供たちは大好きなおばあちゃんのために竹の花を摘んで持っていく。それを見たおばあちゃんは一瞬複雑な表情をするものの、子供たちの気持ちに応えるため、あと虹の卵があれば願い事がかなうといって礼を言った。もちろんそんなことはないのですが、子供たちのせっかくの好意に応えようという、おばあちゃんの精一杯の配慮によるものです。おばあちゃんは足が不自由で、ピー子はじめ子供たちは虹の卵があればおばあちゃんの足がよくなると信じて、虹の卵を探しに出かける。こんなにも純粋で行動力旺盛な時期がありましたねえ・・・何だかとってもほのぼのします(笑)。

まったく手がかりのない中、どこをどうやって探すのか不明ですが、途中「黄色い虹」を発見してそれをたよりに探すなど、悪戦苦闘の末、ついにピー子は虹の卵を発見!!そうです、金色に光るその物体こそ、紛失した濃縮ウランのカプセルだったのです。それにはなぜかクサリまでついていて明らかに人工物なのですが、おばあちゃんのために一途なピー子はそんなことはおかまいなし。小さな体でうんしょと転がしていきます。(もちろん、それが危険物であることなどは夢にも考えていません。)

怪獣が狙ったものは・・・?

そしてついに怪獣パゴスが登場。好物である濃縮ウラン、いや虹の卵を狙って歩んできます。ピー子は思わず近くにあった穴の中へ身を隠して急場をしのぎます。泣いたり騒いだりもせず、なかなかしっかりした子です。

ところで、この怪獣パゴスについてはすっかり研究されているようで、防衛軍の手によっていともあっさりと解決させられます。一説では「ウルトラマン」でもかの「ガボラ」の登場する回に、再登場する予定でシナリオが用意されていたようです。登場するなり皆が怪獣の名を知っているところはその名残だとか・・・。いわれてみればたしかに、ウランつながりで、登場する背景や怪獣の容姿も似ていますね。

それから気になったのは、途中転落したトラックの助手が病院で「頭のうちどころが悪かった」などと称して少々偏見があるのではともとれる演出をしています。言葉なら音声を消去することで対処できますが、こういうのはいかがなものでしょうか。怪奇大作戦24話のような運命にならないことを祈るばかりです。

最後のおばあちゃんとの再会は少々できすぎた感がありますが、子供の世界や価値観を忠実に描き、さわやかな美しい仕上がりになっています。恐怖やサスペンスはあったものの、終わりよければすべてよし、といったところでしょうか。そもそも対象年齢は低く設定しているのでしょうから、このぐらいが望ましいのでしょうね。

怪現象 濃縮ウランを狙った怪獣出現
キーパーソン ピー子ら子供たちとおばあちゃん
解決の糸口 「虹の卵」としての濃縮ウラン
解決アイテム ネオニュートロン・ミサイル
登場怪物 地底怪獣パゴス

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