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宇宙エイ・ボスタング

美しき、宇宙からの使者

怪獣あり、侵略者あり
そして正体不明の謎の女
これはまさに、ウルトラシリーズの原点?

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第21話 宇宙指令M774
放映昭和41年(1966年)5月22日
制作 No.19 昭和40年(1965年)6月〜7月
視聴率 26.9%

[ストーリー] 由利子は船上で、怪獣ボスタングが地球に飛来という声明文を聞く。メッセージの主はルパーツ星人で、地球はキール星人によって侵略されようとしているのだという。怪獣はついに攻撃を開始し巡視船はそれを迎撃するが、怪獣が音に過剰反応するために苦戦する。地球人の容姿をしたルパーツ星人が地球にやってきた目的とは・・・。

ウルトラQ第21話 宇宙指令M774

[寸評] 舞台は夜の豪華客船。由利子は万城目らとトランプに興じています。結構優雅な身分の方々なのでしょうか。その割りにババ抜きとは・・・(笑)。ところが、この日の由利子は調子が悪く甲板へ気晴らしに出る。すると夜空に何か流れ星のような物体が飛来していくのを目撃する。そして手にした人形からは、ルパーツ星人と称する謎の宇宙人からのメッセージを受け取る。地球に怪獣ボスタングが侵入するのだという。すぐに万城目らに報告するが、負けた腹いせの言動とみられて相手にしてもらえない。

それにしても今回「宇宙人による」「怪獣を操って」「地球侵略」というその後のシリーズでは日常化しているケースをはっきりと示しています。前例もなく、あまりに唐突で一平たちが信じないのも間違ってはいないということでしょうか。

宇宙人の方は何とかその話を信じさせるために、万城目たちのセスナを怪しい建物まで誘導して、再度メッセージを流してあの手この手で信じさせようとします。それにしても地球の命運がかかった問題を万城目たちに伝えるとは・・・彼らは宇宙でもそんなに有名な人なのでしょうか?万城目が姿を見せるように提案したため、図書館で会う約束をする。そこに現れたのはゼミと名乗る地球人・一条貴世美の姿を借りた人物だった。つまり名前は便宜的につけただけなのでしょうか?(ちょうどモロボシ・ダンのように)

ゼミは、自分は地球侵略を目論むキール星人が送り込む怪獣ボスタングから地球を守るためにやってきたのだという自らの使命を明かした。こういう展開は長いウルトラシリーズにおいても他には記憶がないですね。ウルトラ兄弟を除いては・・・。実はこれこそがウルトラシリーズの発想の原点なのかもしれません。そう考えると深みがあって興味深いです。ところでこの女優さん、エキゾチックな風貌の美人ですが、宇宙人の役にはピッタリです(笑)。

緊迫の、静かな海・・・

万城目らは地球の危機を救うため、巡視船に乗り込み、ボスタングの攻撃に立ち会おうとする。そしてついにその怪獣は現れた!!エイの姿をした怪獣は水の中と空中を自由自在に移動する。攻撃命令を発令しようとする船長を、ゼミは「ボスタングは音のあるものに反応する。エンジンを止めて様子をみるべき」と主張。船長もそれを受け入れる。さらに近海に大型客船が接近し、ボスタングに狙われようとすると万城目は自分たちがおとりになって何百人もの乗客を救うべきだと主張。

どうも宇宙人や素人の意見を船長は簡単に取り入れていますね。その状況に若い副船長のような人物がついにはシビレを切らして船長や他の乗員と対立する。状況が状況だけに緊迫します。なぜ皆身元もわからない宇宙人の言うことを信用するのか!と。この若い俳優のギラギラしたまなざしが印象的で、意外な名場面といったところでしょうか。

いよいよというときに航空隊が現れて危機を逃れますが、巨大な怪獣に対してはやや意外な結末でした。ウルトラマンが出ないからといってそんな展開でいいのかとツッコミを入れたくもなります。もしかしたらこのあたりで怪獣ものとしての「ウルトラQ」に限界を感じていたのかもしれませんね。

そしてラストは向ヶ丘遊園でしょうか。役目を終えたゼミはこのまま地球に移住することを表明。由利子も歓迎のまなざしで見つめるが、いかに地球が良い星であってもそう簡単に故郷を捨てられるものでしょうか。さらに、意外な事実を打ち明けられます。ゼミと同様に何らかの目的で地球にやってきてそのまま住み着いた人が多いのだとか・・・。そりゃあまあ、それらしき人は多いけれどもさ・・・(笑)。いろいろな意味でウルトラシリーズの先駆けといえる作品でした。

怪現象 怪獣の来襲と謎のメッセージ
キーパーソン 一条貴世美
解決の糸口 宇宙指令によるメッセージ
解決アイテム 空軍の攻撃
登場怪物 宇宙エイ・ボスタング

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