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大ダコ・スダール

南海の孤島の守り神とは

神格化されたその守り神には
島民は犠牲を惜しまなかった
そんな信仰にも彼らは立ち向かった

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第23話 南海の怒り
放映昭和41年(1966年)6月5日
制作No.23昭和40年(1965年)9月
視聴率27.0%

[ストーリー] 南海の孤島・コンパス島近海で漁船が怪物に襲われ、唯一生還した雄三はコンパス島でアニタの看護を受ける。怪物は大ダコ・スダールで島の守り神として崇められているが、犠牲も大きく、その隠れ家を外部の者に教えることはタブーとされる。取材で島を訪れた万城目たちは島民やタブーにも挑むことになり、ついには島民一体となってスダールに立ち向かう。

ウルトラQ第23話 南海の怒り

[寸評] 夜の海で漁船が突如何者かに襲撃される。船長の息子・雄三は直前まで舵をとっていたが、仲間は巨大なタコの足に巻きつかれて海中へ消えていき、ついには船ごと沈められてしまう。船長との親子の会話が人情味あるだけに、その直後の惨劇は衝撃です。足が船内に侵入し雄三の大いに驚いた表情など、緊迫感たっぷりで見ごたえがあります。海に放り出された乗組員の中で、息子に浮き袋を託して果てる船長の姿が印象的でもあります。

緊迫の場面から一転、穏やかな南洋の孤島、のどかな海岸を若い女性とその弟らしい少年が歩いている。彼らは浮き袋に乗って打ち上げられた雄三の姿を発見して介抱する。このコンパス島の住民は皆れっきとした日本人俳優が演じています。この女性・アニタ役の女優もメーキャップをして見事に現地女性を好演しています。水着姿がこの当時としては実に妖艶で刺激的だったのではないでしょうか。

雄三はアニタと意気投合し、互いに自分たちの言葉を教え合っています。その中で互いに父親をスダールという島の守り神とされる怪物に殺されたことを知り、雄三は仇をとりたいという。それは島のタブーであるとしてアニタは反対するものの、雄三の熱意に押されてついにスダールの居場所を雄三や現地取材に来た万城目らに教えてしまう。

アニタの美貌と水着姿に幻惑された視聴者も多いと思いますが(笑)、中でも雄三は最初から夢中のようで、何かといっては話題を振り、露出したアニタの肩に触りたがります。父親を失った悲しみよりも、本音はアニタと一緒にいたいらしいというのが明白です。

南海の見知らぬ文明に・・・

何だかんだといって登場する例の3人ですが、デスクに言い負かされて送られる由利子や、通訳の南の態度に笑わされます。語学の天才とされる南に対する周囲の態度から判断してもクセのある人であることが伺えます。現地の言葉がまたいかにも胡散臭い(笑)まるで「イデの宇宙語」のような言葉です。由利子はデスクのおだての通り、スマイルを見せるものの通用せず、現地住民に帰るよう言われる。ところがスダールに襲われる子供を万城目が救出したことで、あっさりと滞在を許される。そんなものなのでしょうか・・・。

このスダール、東宝映画からの借り物のようですが、タコのヌメヌメ感が実によく表現されていてリアルです。効果音も絶妙で見る人に何ともいえない不快感を与えます。しかしこのスダールは果たしてこれも何かのバランスが崩れた「普通のタコ」だったのでしょうか。外見はタコそのものですが、陸に上がったり人を襲うまではいきすぎと思いますが・・・。命名の由来は、脚本家が飲み屋で出てきた「スダコ」から来ているのだそうです(笑)。

ついにスダール退治に乗り出した航空隊。現地住民もとうとうそれに協力し、アニタは住民から奪い取った銃を怪獣に向けて発砲します。雄三や住民たちも竹やりでスダール目がけて必死です。

スダール騒動を解決し、魔の海域や島に伝わる恐怖も去り、海と島にも平和が訪れました。船で帰国する万城目たち。そこに一人残る雄三・・・あれっ、なぜ???そうそう、この海で消息を絶ったお父さんの供養をしなくてはいけませんものね。それが船員として、息子としての使命ですからやむをえませんね。こうして雄三はこの島に住むことになります・・・めでたしめでたし・・・あっ、その隣にはアニタの姿が。

怪現象 魔の海域と怪物を守り神としてたたえる島民
キーパーソン 雄三とアニタ
解決の糸口 掟破りの行動力
解決アイテム 竹やり?
登場怪物 大ダコ・スダール

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