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大ガメ・ガメロン 怪竜

昭和後期の「浦島太郎」物語

大人にはわからない、
子供たちの世界
カメは僕らを竜宮へ・・・

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第6話 育てよ!カメ
放映昭和41年(1966年)2月6日
制作No.11 昭和40年(1965年)2月
視聴率 31.2%

[ストーリー] 学校の教室で先生に隠れてカメの餌を与える少年・浦島太郎は、無類のカメ好きでそのカメが99センチに成長すれば竜宮城へ連れて行ってくれると信じている。そしてあるとき思いがけない事件に巻き込まれた後、突如大きくなったカメに乗って太郎は本当に竜宮城へ・・・。そこで太郎が見た見た竜宮城とは?子供なら誰もが夢見る幻想の世界と、大人社会との確執を描いた異色作。

ウルトラQ第6話 育てよ!カメ

[寸評] 今回は明らかに今までとはまったく違った雰囲気。別の番組では?と思ってしまうほどです。少年の名は浦島太郎・・・話の内容もそのまんま、です(笑)。学校で授業中教科書を立てて、自らのペットであるカメに餌を与えています。そこへヒゲ面の先生がカメをひょいと取り上げ、見つかってしまったことに気がつきます。誰もが一度は似たような経験があるのではないでしょうか(笑)。かくいう自分も、年齢を重ねるにしたがって、当時の思い入れに感慨も深まってきます。

そこで太郎は皆の前で「カメが99センチになったら竜宮城へ連れていってくれる」という信念を発表し、皆の爆笑を買います。ふとそこへ街にギャングが出没、太郎はカメがかみついたギャングを追いかけてついていきます。怖いものしらずの太郎はギャングの銃を奪って遊んでみせ、ギャングを驚かせます。このギャングの1人がまたしても二瓶正也さん、この人は子供向けのお話にはぴったりですね(笑)。ムードメーカーだし、こんな人がギャングだったら、お友達になりたいです(笑)。

一方では太郎が行方不明になったとして、両親は学校へかけつけ大騒ぎ。ランドセルを忘れても、カメの日誌を忘れる子じゃないのだとか・・・。そういうの、ありましたね。3度のメシより喧嘩が好き、とか、私も大切な本は一食ぐらい抜いても欲しいと思ってました。「特徴は?」と聞かれても「カメです、カメを持ってる」ってそんな、単純な!

ところで今回、万城目たちレギュラー組はちゃんと出演しています。しかし、いつもと明らかに異色の作品で、少年の個性が強すぎたため、脇役に徹し、あまりにも存在感が薄い回となってしまいました。

ギャングとの珍道中をへて、地下道でカメは突如大きくなります。さっそく計ってみると・・・ジャスト99センチ、ついに太郎の夢が実現!!と思いきやカメは壁をすり抜けてどこかへ消えてしまいます。絶望する太郎の前にすぐさまカメが再び顔を出し、迎えに来てくれます。さっそく、太郎は「竜宮城へ行け」と命令、カメにまたがり、猛スピードで空を飛んでいきます。

夢にまで見た竜宮城は?

夢心地の太郎・・・速度が気になるとひょっこりとスピードメーターが現れ、「マッハ3」という表示が・・・。そして海へ突入、富士山が見える場所だったので駿河湾あるいは相模湾あたりでしょうか?調べとかなきゃ(笑)。

そして、着いた場所は殺風景なスタジオ、じゃなくて竜宮城です。床にはドライアイス、じゃなくて霧がたちこめています。そこには小さな女の子が・・・竜宮城はどこかと聞けば、ここだと答える。まさか・・・愕然とし、ふてくされる太郎。女の子は「乙姫」だといい、二重にショックのようだ。

乙姫はブランコを勝手に乗り換えさせたり、怪竜を出現させたり、魔法使いのようだ。そして最後に乙姫から玉手箱を受け取り、太郎は皆が心配する現実社会へ帰ってくる。そこで太郎に待ち受けていたものは・・・。

ウルトラQは「アンバランス」というテーマで撮影が開始され、途中で怪獣路線への変更があったといいます。このお話はどのあたりでの構想だったのでしょうか。たしかに怪獣(というには小さいが)は出現するし、ミステリアスな要素も多分にあります。しかし、これまでとは明らかに対象年齢が異なる内容に、視聴者は混乱したのではないでしょうか。「カネゴン」もありますが、童話をベースにしている分だけ、一層その印象が強い一編です。もちろん、この硬軟織り交ぜた展開こそが「ウルトラQ」の魅力であると確信しておりますが。

怪現象  巨大化するカメ 竜宮城
キーパーソン  浦島太郎少年
解決の糸口  実際との差異
解決アイテム  玉手箱?
登場怪物  大ガメ・ガメロン 怪竜

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