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貝獣ゴーガ

いつの世も、悪は滅びる運命

街に悪がはびこり
人々が心をなくしたとき
ゴーガはよみがえる

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第24話 ゴーガの像
放映昭和41年(1966年)6月12日
制作No.25 昭和40年(1965年)9月〜10月
視聴率 31.5%

[ストーリー] 「ゴーガの像」が外国の博物館からアリーンという女性によって日本に密輸された。密輸組織のもとに届けられた像はレントゲン検査もクリアしたものの、そのショックで貝獣ゴーガが出現し、さらには巨大化して夜の東京を破壊し、密輸組織も計算が狂う。一方謎の女アリーンの正体とは・・・?ゴーガは古代の教典にも登場する伝説の怪物であったのだ。

ウルトラQ第24話 ゴーガの像

[寸評] この話は明らかに「007」のようなスパイ・タッチの展開で、個人的にはよくできていると思いつつも流れを理解するのに少々時間を要します。密輸団の活動にスパイと古代の怪獣が入り混じって混迷をきわめ、見所は多い作品に仕上がっています。

頻々と発生する美術品の盗難事件・・・密輸団の組織が新たに「ゴーガの像」を手に入れようと、アリーンという女性を使ってまさに日本に上陸した。いかにも怪しげなその女性、少女から像を奪い取り、車に乗り込む。たしかこの女優さん、「ウルトラマン」のダダの話にも登場した記憶がありますが、やはりどことなく緊迫した雰囲気を与えます。密輸団のリーダーである岩倉がさっそく像のレントゲン検査を受け、それが本物であることが証明される。明らかに狙っているのでしょうが、銃で驚かす演出なども見せてくれます。

ゴーガの像はレントゲンの際に受けた放射線の影響で変動がみられ、内部で何かが動いているようだ。それこそが古代に伝わる貝獣ゴーガの姿であった。ところが密輸団のもとに香港から連絡が入り、アリーンはまだ香港にいることが判明・・・すると先ほどの女性は?・・・そうなのです。彼女こそが密輸団の活動を阻止するための諜報員リャン・ミンだったのです。

それから、密輸団の一味の中に「アマギ隊員」の姿が・・・第4話に続いての出演です。ゴーガの像の異変に気がつき近づいてみると・・・像は怪光線を放ち、アマギ、いえ密輸団員が襲われます。たしか、「怪奇大作戦」にもこんな具合に襲撃される場面がありましたね。像は落下して破壊され、中から貝獣ゴーガが登場します。「怪奇大作戦」といえば、このゴーガに襲われた人物が溶かされて衣服が残るというショッキングなシーンがありました。何となくそれを彷彿とさせる怖さです。他にも、ミンが密輸団に襲われそうになったとき、敵の目に何か小道具で仕掛けるという場面もありました。小さいことかもしれませんが、結構真に迫っています。

緊迫のスパイ・タッチ

それからスパイもの(?)ならではのアクションシーンもありました。ミンの仲間が車を運転中に敵に撃たれたとき、倒れながらも走り続ける車を万城目が追走し、無謀にもこの車に乗り換えるという「荒業」を披露します。倒れた男が乗った車がよくまっすぐに走り続けたものです。しかも、追いつくのも大変な速度で・・・。さらに冒頭のタイトルバックでは倉庫に爆弾を仕掛けた一味が、車でバックしながら爆弾から逃れるシーンもあり、これまでの「ウルトラQ」とはやや趣向を異にするものの、印象的な場面です。

ゴーガは古代の伝説にも登場する、悪を懲らしめる役割をする怪物のようです。巨大化して夜の東京の街を暴れるのですが、何せ形が「カタツムリ」ですから、大したことはできません(笑)。ただ、もう少し動きは機敏のようで、怪光線も発します。そしてなんと、貝殻をドリルのように回転させて地面にもぐったりもします。その過程で悪人たちは確実にゴーガの犠牲になり、唯一生き残った男も何ともマヌケな最後を遂げます。

最後はゴーガも力尽きますが、「街に悪がはびこる時、ゴーガはよみがえる」のだそうです。監督の野長瀬氏も自称する「007調」のドタバタ・スパイサスペンスは実に軽快なテンポで進み、最後はやはり「ウルトラQ」らしい、意味深なメッセージで締めくくります。

怪現象 ゴーガの像から出現する貝獣
キーパーソン アリーン
解決の糸口 ゴーガについての教典
解決アイテム 火炎攻撃
登場怪物 貝獣ゴーガ

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