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古代怪獣ゴメス 原始怪鳥リトラ

現代によみがえる古代の息吹

トンネルの奥に光る鋭い眼光、
響き渡る咆哮、
発見された謎の卵

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第1話 ゴメスを倒せ!
放映昭和41年(1966年)1月2日
制作No.12 昭和40年(1965年)2月〜3月
視聴率 32.2%

[ストーリー] 東海弾丸道路のトンネル工事現場で洞窟が現れ、怪獣が出たという噂で騒ぎになる。さらに謎の化石も出現し、少年ジローはそれを古代の生物リトラの卵に、そして出現した怪物は同時期の生物ゴメスに違いないとにらむ。万城目は由利子とともに勇敢にも洞窟を調査し、怪物の正体をつきとめにかかる。ジロー少年は、凶暴なゴメスを倒すにはリトラを蘇生させるしかないとみて行動を開始する・・・。

ウルトラQ第1話 ゴメスを倒せ!

[寸評] 記念すべき放送第1話。当時のテレビ界に衝撃を起こしたといっていい内容でしょう。この「ウルトラQ」は全部収録を終えてからOAされたという話も聞きますし、一通り出揃ったところでどれを最初に持っていくかということには十分な議論がなされたことと思います。そのうえでの第1話に選ばれたのは、ちょうど「ゴジラ型」の怪獣ゴメスと、怪鳥リトラという2大怪獣が競演するというテレビの30分番組としてはあまりにも豪華な顔ぶれとなる、このお話でした。子供たちのみならず、大人たちも一緒になって驚いてテレビに釘付けになったであろうことは想像に難くありません。このウルトラQは途中で路線変更にあって当初の「ミステリー要素」の濃厚なものから、怪獣ものに変わったといういきさつを踏まえても、この話を第1回目に持ってきたことは正解といえます。

冒頭ナレーション(石坂浩二)「ここは、東京と大阪を結ぶ弾丸道路のトンネル工事現場です。中ではたくさんの人が一刻も早くトンネルを完成させようと働いています。今夜は、このトンネルの奥で起こったある事件をお伝えしましょう・・・。」

闇の中に光る巨大な目・・・いきなり怪獣の全景をとらえるのではなく、少しずつ見せていく演出、なかなかです。テレビの前の人だって、いきなり怪獣がドーン!では面食らってしまってその凄さも後で慣れてしまうでしょうからね。それを見かけた工夫が驚いてのけぞる。「ひゃあぁ〜〜〜っ!!!」これを演じるのは、こういう役にかけては天下一品の大村千吉さん、いきなりこの方が登場するだけでも迫力があります。あまりの驚きぶりに、彼の人間性すら疑う人もいる始末です(笑)。何でも、トンネルの中にトンネルを見た、のだという。工事の人たちも学者たちも頭を抱える。新聞記者も原因不明の事態に途方に暮れている。

工夫たちが一斉に避難するそんな中、万城目は由利子と大胆にも怪物がいるかもしれない洞窟を探検すると言い出す。一平も追いかけようとするが、新聞記者がそれを引き止める。どうやらお2人の世界を察しているようです。うらやましそうに見送る一平。2人はどうやら恋人という設定のようです。それにしても大胆だ、いや無謀だ!

収容される工夫とともに、何やら奇妙な物体も搬送されていた!巨大な石、というよりは明らかに化石か何かのようだ。あるいは、隕石かも・・・?(どう見ても「怪獣」の卵、ですね。当時なら「恐竜」でしょうか)現場に居合わせた少年ジローは無類の考古学マニアのようで、この物体に見覚えがあるという。古代に生息した怪鳥リトラリアの卵か何かでは・・・少年の頭をそんな思いがよぎった。

迫る怪獣、打倒のカギは・・・

このジロー少年、少年ながらなかなか冷静に物事を解明します。メガネをかけて時には大人をあざけるように少々生意気にも見えますが・・・。ジローはこの謎を解明するため、事件を追及する新聞記者と一緒に金峰山へ向かう。そこのお寺に古文書があり、どうやらその中にカギがありそうだという。少年の言うことに興味津々でつきまとう記者もとっても暇そうに見えます(笑)。そして探し当てた古文書には古代の肉食生物ゴメテウスと怪鳥リトラリアの絵がはっきりと描かれていた。「ゴメス」と「リトラ」といきなり言わない、この2段構えの名前、最高にナイス!です。リトラにはシトロネラ・アシッドという溶解液まで持っているそうだ。しかしジロー君、何を調べてこんなことまで知ってるの?末は博士か大臣でしょう・・・。

そしてついに・・・万城目と由利子は巨大な怪物・ゴメスの姿を目の当たりにする。由利子は疲れ切っていて逃げるのもままならない。万城目は由利子を励まし半ば抱えながら、すでに崩壊した洞窟の出口を探す。彼らの安否を気遣う工夫たちがようやく彼らの存在を発見し救出するが、ゴメスは地上へと姿を現す!!古代生物が地殻変動によって歴史的な出現である。

ゴメスの出現を予想していたジローは、それを倒せるのはリトラしかいないとみて、火を炊いたりしてリトラの孵化に成功させていた!恐るべき執念と行動力、大人も真っ青です。(こんなことで卵がかえるのか?という素朴な疑問は残りますが・・・笑)このリトラの卵からかえるシーン、そして翼をばたつかせて飛び回る動作といい、絶妙です。さらに、ゴメスとの格闘シーンにいたってはテレビでこれだけの内容を盛り込んだことに衝撃を覚えた人もさぞ多かったことではないでしょうか。ハイテクに頼らず、ひたすら手作業でこれだけの演出をしたスタッフ、プロデューサーに敬意を表します。これだけでも「ウルトラQ」の人気と特別性をはっきりと印象づけたといえましょう。

最後は2大怪獣は意外な形で力尽きます。騒ぎを広げずに済んだジロー君の功績は大きいですが、考古学的には惜しいことをした、とみる向きもあるのでしょうか?ともあれ、事件は無事解決、ジロー君の粋なはからいがあったことがナレーションで告げられこの話にピリオドを打ちます。しかし、第1話にしてこれだけの内容、怪獣が2体も出したということで今後の展開に非常な関心が得られた終わり方となりました。

怪現象  古代生物の出現
キーパーソン  ジロー少年
解決の糸口  怪鳥リトラとその蘇生
解決アイテム  リトラのシトロネラ・アシッド
登場怪物  古代怪獣ゴメス 原始怪鳥リトラ

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