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1/8計画

夢か幻か、驚異の近未来都市

都会の建物内の一隅に
想像を超える空間があった
そこは世紀のユートピア

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第17話 1/8計画
放映昭和41年(1966年)4月24日
制作No. 8 昭和39年(1964年)12月23日〜翌年1月11日
視聴率 31.7%

[ストーリー] 由利子はあるとき人ごみの階段で転倒し、意識を失う。そんな中、万城目たちと外出したときに「1/8計画」と称する不可解な場所を見つけて訪問し、由利子は誤って人間の大きさを1/8に縮小するという不思議な世界に紛れ込んでしまう。命からがらそこを脱出した由利子は星川航空を訪れるが、自分の遺影を見て愕然とする。やがて万城目たちは由利子を探しにやってくるが・・・。

ウルトラQ第17話 1/8計画

[寸評] アイデアもストーリーも素晴らしいですね。怪獣こそ登場しませんが、ウルトラQが「アンバランス」であった頃の、典型的なSF作品。現代社会の抱える問題を提起していますが、この当時はまさか将来「少子化」の時代がやってくるなどとは想像ができなかったのでしょうね。いろいろな意味で感慨深いです。

東京の通勤ラッシュ、いつもの満員電車を降りた由利子は人ごみに押されて階段から転倒!ここから物語は始まります。万城目たちとのドライブとも仕事ともつかぬ中、「1/8計画」という妙な看板を見つけて由利子が視察してくる。何でもそこは、人間を1/8の大きさに縮小して、空間もエネルギー・食料を少なく済ませようとする計画で、そこに住めば税金や義務の免除など、「夢の楽園」といった様相です。こんな世界が本当にあったら、ちょっと考えてしまいますね。本当に働かなくても生活していけるとは到底考えられませんが、ツッコミを入れるのも少々気がひけます(笑)。それにしても参加希望者の多いこと、たしかに、そんな悠々自適の生活ができるのなら、殺到してしまうでしょうね。私も参加します(笑)。

由利子はそんな様子を聞いているうちに人波に押されて希望者の列へ入り込み、なぜか勝手に1/8の大きさにされてしまいます。拉致されたわけでもないのに、機会に乗せられたときに逃げられたでしょうに・・・まあ、そんなツッコミもむなしいので、やめておきます。

気がついたときには由利子はすでにその世界の住人となり地区長と名乗る人たちから挨拶をされる。ところが!ここで不法入国だとして由利子は事情聴取のため拘置所へ連れていかれる。(この辺の展開もムチャクチャです・・・笑)そして由利子は思いがけない旅をすることになります。拘置所では何でも食べてしまいそうな巨漢の男、川に流されたところを救出する怪しげなシスターたち、それにグチをこぼす少年たち、といろんな出会いを経て星川航空へたどり着きます。

由利子はこの世で生き別れに?

そしてようやくそこに着くと待っていたのは何と!由利子の遺影・・・ろくに捜索もしないで死んだことにされちゃあ、かないませぬ!!巨大な受話器をずらして職場へ電話をかければ「幽霊と話しているヒマはない!」って切られる始末。本人の声でしょうに!!絶望しつつ由利子は別れを告げる置手紙を置いて元の居住区へ。

次の場面では街に巨大な万城目と一平が出現します。そう、由利子の居場所をつきとめて、1/8の人たちの居住区へ迎えにきたのです。民家や送電線まで、見事なセットですね〜一平が家の屋根を壊したり、送電線にショートする場面に思わず苦笑しながらもつい画面に見入ってしまいます。「ウルトラQ」の世界、ここにありって感じでスゴイ!!の一言です。

ついに由利子の姿を見つけた万城目たちだったが、由利子からは「もう会えない」とこれまでの苦労や苦悩を聞かされる。そして、これからはここの住人として暮らすことを宣言されるのだった。

どうもいまひとつ腑に落ちない物語でしたが、最後にすっきりとオチをつけてくれます。見ている方も「なあんだ」という安堵感もよぎりますが、人口増加の社会問題が深刻化している現実に痛烈にたたきつけたメッセージとも受け取れます。しかしこれはもう40年も前の物語です。今の日本では杞憂に終わっていることは皮肉な現実です。

怪現象  8分の1に縮小する人間
キーパーソン 由利子の心の中
解決の糸口 混雑による転倒
解決アイテム ???
登場怪物 なし

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