本文へスキップ

The Art of ULTRA-Q

はるかなるウルトラQの記憶

モノクロの映像美、
原始的な特撮の生々しさ、
毎回迫りくるスリルと緊迫感

ギャラリー

「ウルトラQ」への思い入れ

私が初めて「ウルトラQ」というものの存在を知ったのは、すでに人気を博して一大ブームを巻き起こしていた「ウルトラマン」シリーズの影響であった。何度も再放送がなされ、関連書物も多数出版されていた「ウルトラマン」に対して、「ウルトラQ」のことはともすると影に隠れがちであったが、ブームになる中、「ウルトラ怪獣」としてその存在はやはり語らずにいられないようであった。たとえば、「ケムール人」や「ラゴン」はウルトラマンにも登場するし、そこに既に登場したことを前提にストーリーも構成されている。そういったつながりからか、ペギラ、カネゴン、ガラモンなどはウルトラ怪獣としても代表的な存在として後の時代にもPRされてきたし、「ウルトラ怪獣図鑑」のようなものにも「ウルトラQ」の怪獣たちは掲載されてきた。 しかし、その作品を目にすることはなかなか実現しなかった。その写真などで見るウルトラQは怖そうで、奇妙なストーリーが多いようなところから、見たいという欲求は日増しに高まっていった。

ウルトラQとの出会い

そして私が小学校6年生の夏、偶然に新聞のテレビ番組欄の上の方に「ウルトラQ」とあるのを見つけ、早朝だったためその日は見逃したものの、翌日の放送をわくわくして待ったものだ。たしか6時からの放送だったが、ビデオもなかった当時、毎日目覚まし時計をセットして一生懸命早起きをしたのをはっきりと覚えている。記念すべき第1回目の視聴は「虹の卵」であった。あまりの興奮に、あるいは早朝だったせいか、ぼうっとして本当に見たのか、あるいは夢だったのか(笑)と不思議な感覚だった。特に印象的だったのはカネゴンの愉快な話と、ナメゴンのラストが怖かったことであった。(早朝で頻繁に見逃していたので、ケムール人や悪魔ッ子の話は見逃してしまった。) その後はまたも目にすることはなくなったが、ビデオも導入した後、ウルトラQのフィルムブックスというのが発売され、手垢がつくほど読みふけった。全話全カットの写真が掲載されストーリー詳細や裏話も読めてますます興味は膨らんだ。

ウルトラQを堪能する

その後ビデオレンタルで「ウルトラQ」を見つけ、まだレンタル料が高かった頃、兄弟で出し合って借りたこともある。そして私が大学生になった頃、深夜に「ウルトラ倶楽部」というのが放送され、ついにウルトラQとウルトラセブンの全話を再放送されたのである。当然のごとく録画して、あらためてその世界を堪能した。 ウルトラQの魅力は何よりまず、画面がモノクロであること、というと語弊があるかもしれませんが、映画でも写真でも、本当に目の肥えた人たちの間ではカラーよりも白黒の方が魅力的なのだそうですし、実際余分な色を抑えることによって画面にメリハリが出てくるし、時代感をただちに把握できるという面もあります。そして特撮の「手作り感」!!造形やセットなどもとにかくアイデアの限りを尽くしています。「206便消滅す」の異次元空間に引き込まれるシーンなど、洗濯機を使ったという有名なエピソードもありますが、ハイテクに頼らず、ひたすら五感に訴える特撮は実にリアルで見ごたえがあります。そしてとどめはBGM!盛り上がりの部分はもちろんのこと、ちょっとした心理的な不安なども実に効果的で迫力ある音楽を用いてその世界に見ている人をも巻き込みます。

ナビゲーション