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コイン怪獣カネゴン

お金に目がくらむとカネゴンに?

そのとき、強欲なガキ大将は?
仲間たちとの友情は?
奇想天外な珍道中

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第15話 カネゴンの繭
放映昭和41年(1966年)4月10日
制作No.20 昭和40年(1965年)8月
視聴率 28.5%

[ストーリー] ガキ大将・加根田金男はお金に目がない。あるとき、お金が入った不思議な繭を拾い、両親にたしなめられるが、間もなく繭は大きくなり中からお金がザクザク。金男が喜んで入ると怪獣カネゴンの姿に変貌してしまう。何とか元の姿に戻りたい金男は仲間たちに頼みこむが、簡単ではない。怪しい祈祷師や、意地悪なヒゲおやじらが登場して盛り上げる・・・。

ウルトラQ第15話 カネゴンの繭

[寸評] 「ウルトラQ」でも異色な中川監督の3部作の1本ですが、その中でも最も人気の高い一編といえます。特に「カネゴン」の存在はシリーズでも屈指の人気怪獣として長くその名を知れ渡らしめています。万城目らのレギュラー陣が一人も登場しないというだけでもきわめつけの異色作です。

加根田金男はガキ大将で、いつも多くの子分を引き連れているが、お金には目がなく、せこく小銭に目を光らせている。(こんなガキ大将、見たことないっ!って感じですが・・・笑)人のものも自分のものにしてしまう金男は、あるときお金の入った不思議な繭を拾って持ち帰る。

金男の両親は、その行き過ぎたお金亡者ぶりに注意するが、まったく気に留めていない様子。父は「そんなことしていると、カネゴンになっちゃうぞ」というおとぎ話を聞かせるが、それは現実になってしまう・・・。そんな両親もまた、ちゃっかり小銭を拾うことに夢中になったり、人のことはいえません。この親にしてこの子あり、です。この両親がまた金男に劣らず強烈な個性を存分に発揮してコメディ色を鮮明にします。特にお母さん役の今でも活躍されるベテラン女優さん、顔を思いっきりゆがめたりして、大した場面でもないのに楽しませてくれます。

金男の繭は一夜にして大きくなり、大はしゃぎする金男。そして中をのぞいて見ようとすると繭の中へ引きずりこまれ、カネゴンに変身してしまう。この変身のシーンにある造形、ニワトリの鳴き声まで聞こえてきて何ともシュールで新鮮な感じもしていいですねえ。不思議な場面に不思議な光景は違和感ありません!それにしても、お金がじゃらじゃらする繭を見て「50万かな、100万かな、200万かな〜」って、何て末恐ろしいお子ちゃまなのでしょう(笑)。こういう子がやがて汚職政治家になったりするのでしょうね。

困り果てたガキ大将は、助けを求め・・・

このカネゴンですが、金男の父が言う通り、「頭は金入れ、体は火星人、目はお金の方にぴょこんと飛び出し・・・」という具合に実にユーモラスで、涙をぽろぽろこぼすあたりが人情味あってよいですね。

それはさておき、カネゴンになってしまった金男はどうしたものかと仲間たちに相談する。ガキ大将だった金男だが、こうなってしまうと立場は逆転、皆意外に冷たいのです。日頃の行いがいざというときに影響するという大人の教訓は子供社会にも根付いているのですね。カネゴンが夕日に照らされひとり花を摘んで物思いにふけっている姿が印象的です。

カネゴンはお金が食べ物、胸のメーターが0になってしまうと死んでしまうのだという。銀行で行員が落としたお金を拾ったりして飢えをしのいだカネゴンだが、いよいよ仲間たちのはからいで祈祷師さんにお願いしてもらう。そこでの、わけのわからない祈祷と怪しい世界に引きずり込まれる子供たちの姿は結構笑えます。

そうそう、「ヒゲおやじ」に扮する渡辺文雄さんと、コンビを組む二瓶正也さんの言動がまた笑えます。昔はこんなおやじさんが結構多かったのでしょうか・・・。嫌味たっぷりに嫌がらせをする悪党ぶりに子供たちもたじろぎながら、しっかりと復讐をしたりする攻防は見ものです(笑)。

こんなハチャメチャなコメディですが、最後にまた金男が無事に帰宅するまでの人波乱、そしてラストのこれでもかというようなオチ。これまでとは異色の作品でありながらまったく手抜かりがありません。人気怪獣はそのストーリーにも大きく左右されるといっても過言でありません。お腹いっぱい、という一編です。

怪現象 拾った不思議な繭
キーパーソン 加根田金男 ヒゲおやじ
解決の糸口 怪しい祈祷師
解決アイテム ヒゲおやじの逆立ち
登場怪物 コイン怪獣カネゴン

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