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人工生命・M1号

恐るべきスピード、緊迫のサスペンス

近未来都市の夢の超特急
人間でも哺乳類でもない新たな生命体は、
突如姿を現した

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第10話 地底超特急西へ
放映昭和41年(1966年)3月6日
制作No. 28 昭和40年(1965年)11月〜12月
視聴率 32.6%

[ストーリー] 時速450キロ、夢の地底超特急イナズマ号の完成公開試運転が行われ、報道関係者である由利子はこれに乗るが、ちゃっかり一平や靴磨きの少年・イタチらが乗り込んでしまう。しかも荷物と間違えて人工生命M1号までもが・・・。フラッシュによって細胞分裂したM1号は運転席を乗っ取り、列車は暴走列車と化す。やむなく客車を切り離したものの、機関車の中にはイタチ少年が!

ウルトラQ第10話 地底超特急西へ

[寸評] 収録上は最終回にあたるこの回は、コメディ要素あり、サスペンスと恐怖ありでなかなか楽しませてくれます。ツッコミどころも多数で飽きさせません(笑)。

地底超特急イナズマ号がいよいよ完成、報道陣を対象に試乗会が行われます。毎日新報の由利子もこれに乗るのだが、何を考えたか、一平までもカメラマンのふりをして乗り込んでくる。試運転でもあり、乗車する人たちの身元ぐらいはちゃんとチェックしておかなければいけませんね。事実、この直後大事件が起きるのですから・・・。

駅前で靴磨きをする少年・イタチもまたこのニュースをかぎつけて乗り込もうという一人で、喫茶店で働くヘチマとともにユーモアたっぷりに変装して乗り込みます。どう考えたってシャットアウトされそうなものですが、どうやらほとんどノー・チェックのようです(笑)。

このイタチ少年の子分とのコンビによる仕事ぶりには、どこかいじらしくもあり、なかなかしっかりとしていて笑わせてくれます。ヘチマの方はそそっかしそうで、すっかり小さくなって仕事をしています。どうしてまたこの2人がコンビになったのでしょうか?

それはそうと、これだけの国家的事業と思われる企画に、総括責任者らしき人物の何とも頼りないこと・・・よく認可が下りたものです。こんな人に命を預けると思うとぞっとしますが、現代社会においても時折重要ポストにある人物がうやむやな対応をして似たような光景を目にすると、まんざら笑ってばかりもいられなくなります。いくらなんだって、自動操縦エンジンの名前すら把握していないなんてありえないっ!!まあ、それはそれで大いに笑わせてくれますが・・・。

そして、とどめのドタバタは一平がよりによって自分のバッグと間違えて、秘密裏に開発されていた人工生命を運び込んでしまうのです。またバッグがそっくり同じものであるというのも笑えます。しかも、このことを知った他者カメラマンはこれにフラッシュをたいて撮影。事件の発端となります。

絶体絶命!乗客は?新特急の運命は?

人工生命M1号は細胞分裂を起こして怪物化、保管ロッカーを抜け出し、乗務員を襲う・・・このときの乗務員(運転手か?)がまた、驚きすぎっ!!変質者のようにものもいえないほどに、震えおののいています。私にとっては怪物よりもこの乗務員の方がコワイです(笑)。

かくして列車は人工生命M1号に主導権を奪われ、電子頭脳や非常装置もマヒ状態の暴走列車と化し、乗客と司令室をあわてさせます。しかし、謎の生命体とはいえ、一体何におびえて皆運転を放棄してしまったのでしょうか・・・。特殊な能力を持っているわけでもなさそうだし、乗務員の人数を考えたらさほど脅威に感じることとも思えないのですが。少なくとも自分たちを含めた多くの人命がかかっていることを考えたら・・・まあ、あれだけ腰を抜かしていては無理もないのでしょうか・・・(笑)。

そしてついに、非常手段としての客車分離を決意します。ほっと一息、と思いきや、機関車の中にはイタチ少年が・・・。司令室は緊迫感が加速し、終点の北九州駅に車止め装置を用意したものの、何とか助かる方法はないかと模索する。万城目も必死でイタチ少年に無線を通じて呼びかける。目にも止まらぬ猛スピードの列車の運命やいかに・・・!!

ラストのオチは何を意味しているのでしょうか・・・。場違いなユーモアで緊迫感を帳消しにしようとでもいうのでしょうか?笑っていいのか悲しむべきか、大いに迷うような、にわかに状況判断にとまどう不思議なエンディングです。

怪現象 人工生命の管理に失敗、超特急へ
キーパーソン 少年イタチ
解決の糸口 解決せず!宇宙空間へ
解決アイテム あったが忘れていた
登場怪物 人工生命・M1号

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