荒れ狂う吹雪、異常寒波、
極限の世界で起こる
緊迫の人間ドラマ
第5話 ペギラが来た！
放映昭和41年（1966年）1月30日
制作No.14 昭和40年（1965年）4月2日〜4月24日
視聴率 34.8%
[ストーリー] 南極越冬隊員に同行し、3年前の野村隊員の失踪の謎を探りにきた万城目は、異常な寒波に巻き込まれる。車が舞い上がるほどの猛吹雪に隊員も続々と倒れてしまう。野村の手記にあったペギラとは何か？そんな中、野村を見たという隊員が現れ、野村の婚約者であった久原羊子は手がかりを求めて果敢に飛び出していく。そして冷たくなった野村と愛犬サブの元気な姿を発見。しかしその先には冷凍怪獣ペギラの巨大な姿が・・・。
[寸評] １月の寒い時期にこんなにも寒い絵を見せつけられるのもキビシイですね（笑）。見るからに寒い画面が白黒というのも、それをあおります。今回はレギュラーメンバーは万城目のみの出演。レギュラー全員お休みの「カネゴン」の回を除けば、一平と由利ちゃんは唯一の出番なし。てっきり南極ロケかと思いきや、すべてセットなのだそうです。それを見せられただけでも「ウルトラQ」の並々ならぬ凄さとか意欲を感じます。
冒頭いきなり万城目は船の中。3年前に失踪した野村隊員の謎を追求しにきたのだそうです。サングラスをかけていたので一瞬誰だかわかりませんでした！！えっ、万城目って、パイロットで自称SF作家じゃなかったっけ？？由利ちゃんならともかく、よくわかりません（笑）。そこで鉢合わせしたのが、野村隊員の婚約者・久原羊子。船の揺れにつられて万城目は羊子を狭い船室に押し倒します。どう見ても偶然じゃないですね、明らかに体を捕まえにいっています。どうするつもりだったのでしょうか（笑）。
その野村隊員の手記には「また来た、ペギラ」という言葉があり、非常に気にかけていました。羊子の持つ袋の中には、彼の出身である東京の土が・・・失踪の謎をつきとめこの目で確かめたかったのだといい、それで越冬隊に志願したのだそうです。何というやるせなさ・・・ううっ（笑）。
ところで、南極に来たものの、異常に寒い、温度計を見るといかに南極とはいえ、想像を絶する気温だ！原因究明しようとする中、車が宙に舞うほどの猛烈な突風が・・・隊員の中にもあまりの寒さに倒れたりする人がでてくる。突然扉が開き、ゆっくりと手や人の顔が出てくる演出は見事です。
そしてとうとう出てきたペギラの謎・・・それは巨大な翼をもった冷凍怪獣の姿であった。このペギラの翼が猛烈な突風を起こし、口から吐く冷凍光線が異常な寒波を引き起こしていたのであった。おそらく野村隊員もこのペギラに遭遇し、そこで遭難したに違いない。解決の糸口は見えてきました。しかし、それと同時に今度は隊員たちにも生命の危険が・・・早くこの事態を乗り切らなければ、野村隊員の二の舞になってしまう！！
ペギラが出現する場面で、恐怖を表現する「デーーン！！」という音が繰り返されます。この音は元々究極の恐怖を味わうときには格好の音で、私も大好き（笑）なのですが、このように繰り返されて使われると耳慣れてしまい、恐怖感が薄れてしまいます。そして、巨大なものが出現するときにもあまり合わない気がします。狭い閉ざされた空間で突発的に一度だけ使用するのがもっとも効果的なのでは、と思います。
基地に遭難しかけた隊員が、背後から羊子を襲う・・・こんな場面に適していますが、状況がどうも、本筋とは違う意味でコワイ（笑）。その隊員は野村隊員を見たのだという。悲鳴を聞いて万城目らが入室してくると、羊子はさっさと出て行ってしまう。やはり・・・と思いきや羊子は実は野村隊員の手がかりを求めて出て行ったのだ。依然として悪天候の中、ついに雪とも氷ともつかない中に野村隊員の姿が・・・そしてそばには愛犬サブの姿が！
羊子は様子を見に来た万城目と、サブが生きながらえてきた理由を考える。そして、サブの首の周りに付着しているコケに気がつく。ペギラはこのコケが嫌いなのでは・・・唐突な発想！調べた結果、このコケにはペギミンHという物質が含まれていて、アザラシに食べさせたら苦しんで死んだという。そんな猛毒を！そこで隊員たちは一計を案じる・・・。ペギラ打倒にはこれを使うしかない、と。
迫り来るペギラ・・・危機一髪のところで万城目もつい気が高ぶって仲間を突き飛ばしてしまいます。そして、何はともあれ、解決に・・・。ちょっとした演出にも力が入っていて見る側にも緊張感がみなぎります。
ラストは無事に帰還する隊員たち。羊子は野村隊員の墓を作り、そこへしっかりと東京の土を撒いてきたのであった。
怪現象 異常寒波の襲来
キーパーソン 久原羊子
解決の糸口 生きていた愛犬サブ
解決アイテム ペギミンH
登場怪物 冷凍怪獣ペギラ