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岩石怪獣ゴルゴス

富士の裾野で、怪獣と自然児

天変地異の前触れか
不気味な地殻変動と怪獣の出現
そこに敢然と立ち向かう青年がいた

ギャラリー

「ウルトラQ」ストーリー

第7話 SOS富士山
放映昭和41年(1966年)2月13日
制作No.27 昭和40年(1965年)11月〜12月
視聴率 32.5%

[ストーリー] 富士山周辺に地殻の異常がみられ、噴火する可能性があるとして騒ぎになる。その頃、富士の裾野の樹海には15年も前に行方不明となり、自然児としてたくましく生きぬく青年・タケルの姿が・・・。やがて巨大な岩石が現れ、核の影響で怪獣となり、タケルは勇敢にも怪獣に素で立ち向かう!実姉も心配する中、怪獣によじ登り、必死ですがりつく・・・。

ウルトラQ第7話 SOS富士山

[寸評] 実はこのお話はいまひとつインパクトが足りなくて、あまり記憶にないのです・・・勇敢というよりも無謀な挑戦を試みる青年・タケルの勇姿があったものの、「ウルトラ」の中ではどうも存在感が薄いような気がします。他のお話の印象が強烈だというせいもあるのですが。怪獣も白昼に登場するし、岩みたいで奇抜さや恐怖感はみられません。そして、いつも無責任に言い放って去っていく(笑)不気味なエンディングナレーションもありません。ただ、随所にウルトラQのエッセンスは盛り込んであるので、何度か見直すうちにはきっと多くの発見があることと思います。

いきなり逆さ富士が・・・と思ったら顔を逆さに富士を仰ぎ見る一平の視線であった。富士山周辺の地殻変動を取材するために、由利子と富士まで来ていたのであった。湖の温度が異常に上昇するなど、富士山噴火の前兆かもしれないということで、地元ではにわかに騒ぎになっていた。近くの樹海には15年前に行方不明となってたくましく生きぬくタケルがいるため、巡査の横山は危険を知らせようと捜索を始める。

この自然児・タケルは地元の子供たちには英雄のように語られていた。自然の中で住みつくうちに、類まれな強靭な体力・生命力を培っていたのである。子供たちには、「アベベより速い」とまで言われるほどだ。対照的に巡査の人のよさそうで、愚鈍そうな憎めない感じがまたいいですね(笑)。行き詰ったら持ち物を全部出すというおかしな習性を持っています(笑)。

ついに異変は現実のものとなり、近くの池から岩石が飛び出し、核との融合により怪獣ゴルゴスが出現!!タケルは怪獣の倒した木に足を挟まれ身動きが取れなくなる。巡査はついにタケルを発見して梃子を使って木をどけてやる。ところが怪獣が目の前に!!巨大な怪獣が目の前に来て「デーーン」という効果音、適所とは言いがたいものの結構どきっとさせられます。「早く、早く!!」(タケルの口癖です 笑)タケルの誘導で2人は何とか逃走。自然児タケルはほとんど口をきかなかったそうですね。しかし、巡査の好意に「ありがとう」と礼を言うタケル。俄然ドラマチックになってきました。

巨大な怪獣に素で立ち向かう青年

近くのホテルに勤める姉・光子はタケルを心配して樹海へ向かう決心をする中、タケルは大胆にも怪獣によじ登って戦いを挑む。怪獣に向かって見せるタケルの迫真の演技、絶妙ですね。怪獣の動きに振り落とされそうになりながらタケルは懸命にしがみつき勝機をうかがう。そしてついに・・・。

この回にはチック・タックとかいうタレントだか漫才師が出ているのですね。岩石を破壊する際、子供の風船ガムに驚いて早まってしまい、叩こうとすれば相手はヘルメットをかぶるというギャグは古典的で笑えます(笑)。ただ、全体としてはコメディタッチあり、人情ものあり、恐怖やサスペンスもあり、で収拾がつかない印象があります。ラストで散髪したタケルが胸を張るシーンもギャグでありながら噴火を思わせる効果音をかぶせたり、笑っていいのか迷います(笑)。そして最後にもう一度効果音、で唐突に終わります。

怪現象 富士山周辺の地殻変動
キーパーソン 自然児・タケル
解決の糸口 タケルの想像を超える勇気と体力
解決アイテム 核
登場怪物 岩石怪獣ゴルゴス

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